医師が解説DOCTOR COMMENTARY

医療脱毛の効果 予約間隔

医療レーザー脱毛は非常に効果的です。
毛が生える仕組みの説明から始めて、
医療脱毛がなぜ効果があるのかを
解説します。

医師 丸本 桂三

目次

POINT01

毛はどのようにして生えるのか?


【まとめ】(詳しくは下のリンクをクリックしてください。)
毛穴の一番奥にある毛乳頭が毛を作って、毛を伸ばしていきます。毛乳頭は数ヶ月〜数年で死んでしまい、毛が抜けます。毛乳頭が死ぬと、バルジ領域にある毛包幹細胞が下りて来て毛乳頭を作ります。

「毛はどのようにして生えるのか?」を
さらに詳しく

毛乳頭というのが毛穴の一番奥にあります。その毛乳頭が細胞分裂を繰り返して毛を作って行きます。毛がどんどん作られると、毛をどんどん押し出していきます。つまり、「毛が伸びる」わけです。

毛乳頭は毛を作り続けますから、そのままだと、体毛は10センチどころか1メートルでも伸び続けてしまいます。しかし、毛乳頭は数ヶ月経つと死んでしまいます。すると、ある程度の長さで毛が抜けます。そのおかげで「体中が体毛でぼうぼうになる」ということにはならないのです。

毛穴の横にバルジ領域という部分があります。そのバルジ領域には毛包幹細胞というのがあります。毛乳頭が死ぬと、この毛包幹細胞が細胞分裂を開始して毛乳頭を作ります。すると、また毛乳頭が毛を作り、毛を伸ばすので、毛が生え始めます。

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POINT02

医療レーザー脱毛はなぜ
毛が生えて来なくなるのか?


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【まとめ】(詳しくは下のリンクをクリックしてください。)
レーザーのエネルギーが毛根の中にある毛に吸収されて毛根周辺の組織の温度が上がり、その熱で毛根周辺の組織が破壊されます。毛乳頭が破壊されると、その瞬間から毛を作れなくなります。バルジ領域の毛包幹細胞が破壊されると毛乳頭をもう作れなくなりますので、その毛根の脱毛は完成します。

「医療レーザー脱毛はなぜ毛が生えて
来なくなるのか?」をさらに詳しく

上の図を見ると、レーザーが当たった領域全体に効いているように見えますが、実際にはそうではありません。レーザーはメラニンに強く吸収されます(皮膚の他の部分には吸収されにくい)。毛にはメラニンがすごくたくさん含まれていますので、レーザーのエネルギーが毛のメラニンに吸収され、毛の温度は上がります。その上がった毛の温度が毛穴の周りに伝わります。その熱が毛穴の周辺の組織を破壊するのです(毛穴周辺の組織がヤケドで破壊されたということです)。

毛乳頭が破壊されると、その瞬間から毛を作れなくなります。でも、それだけだと脱毛にはなりません。バルジ領域にある毛包幹細胞が生きていると、また毛乳頭を作ってしまいます。しかし、バルジ領域も破壊されると、毛包幹細胞が死にますので、毛乳頭をもう作れません。脱毛に成功したということです。

つまり、医療レーザー脱毛は「バルジ領域の毛包幹細胞を破壊することで毛根が毛を作れなくする」 ということです。

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POINT03

毛周期と医療脱毛の関係


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【まとめ】(詳しくは下のリンクをクリックしてください。)
毛根には毛周期というのがあって、成長期と休止期を繰り返します。毛が伸びきると毛乳頭が死んで毛が抜けます(休止期に入ります)。すると、バルジ領域の毛包幹細胞が細胞分裂して毛乳頭を作ります。毛乳頭が出来ると、どんどん毛を伸ばし始めます(成長期)。休止期には毛根に毛が無いのでレーザーを打っても効果はありません。

「毛周期と医療脱毛の関係」を
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毛が伸びきると、毛乳頭が死んで毛が抜けます。すると、バルジ領域の毛包幹細胞が細胞分裂して毛乳頭が出来ます。すると、毛が生えて伸びていきます。毛が伸びきると毛乳頭が死んで毛が抜けます、、、というのを延々と繰り返します。この周期を毛周期と呼びます。上の図のようなイメージです。

毛周期は体の部位によって異なります。脚や腕は10ヶ月〜1年くらいです。頭髪などは何年もです。そのため、髪の毛は長くなります。毛周期が長いほど、その部分の毛は長くなります。腕や足の毛は比較的短いですから、毛周期はそんなに長くないのです。

医療脱毛のレーザーのエネルギーは毛根にある毛に吸収されて熱を発生し、毛包幹細胞を破壊して脱毛を完成させます。そのため、毛根に毛がないと効かないのです。つまり上の図で休止期から成長期の初めにかけては脱毛をしても効果がありません。

レーザー脱毛をすると2〜3ヶ月は毛が生えてきにくくなります。でも、それ以降、次第に毛が生えてきてしまいます。それは施術の時に休止期で生き残っていた毛根が次第に成長期に入って毛をはやし始めるからです。上の図だと休止期は短く見えますが、実際には休止期は5〜6ヶ月もあったりする場合もあるようです。

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POINT04

どれくらいの間隔で
予約をすればいいか?


【まとめ】(詳しくは下のリンクをクリックしてください。)
全身脱毛の場合、1ヶ月半から2ヶ月の間隔にすべきです。施術間隔が4〜5ヶ月になると、効果が出ない毛根が残る可能性があります。そのため、もっと短い施術間隔にすべきです。
大変申し訳ありませんが、当院では既存の患者さんの施術間隔が延びすぎないよう にするために新規の患者さんの予約受付を停止させていただく場合があります。

「どれくらいの間隔で予約をすれば
いいか?」をさらに詳しく

全身脱毛では、よく「1ヶ月半から2ヶ月に1回施術すべき」ということが書かれていますが、それが正解です。
休止期が半年くらいとか長い場合、4〜5ヶ月に1回とかだと、毛根によっては「休止期ばかりに照射している」ということが起こり得ます。つまり、「脱毛できていない毛根が残る可能性がある」ということになります。

医療脱毛はだいたい5〜7回で完成されるという説明がされます(医院によって4〜5回だったり、5〜6回だったりしますが、個人差もありますのでどれも正解です。)。
1ヶ月半〜2ヶ月で5回施術を受けると結局、7〜8ヶ月くらいかかりますので休止期の長さを超えているので、「どの毛根もどこかで照射できている」ということになります。5ヶ月おきとかでもちゃんと「どの毛根も照射が終わる」可能性はあるのですが、たまたま外しまくる毛根もありえるわけで、やはり2ヶ月とかの方がより確実なので1ヶ月半〜2ヶ月というのが正しいです。

大変申し訳ありませんが、あおばクリニックは、医院によって脱毛の新規予約が取りにくくなってきたりしております。中にはホームページで脱毛の新規予約を中止する医院もございます。
ナースの人数や機械の台数などに限りがあり、施術できるキャパシティに限りがあります。経営上の都合を言わせていただくと、新規の患者さんを断らずにどんどん受け入れさせていただきたいというのが正直なところなのですが、そうすると、既存の患者さんの施術間隔を延ばしていただくしかしようがなくなります。
当院は都度払いですので、次回に施術を受けなくてもお金はかかりません。しかし、既存の患者さんはリピートしていただける場合がほとんどですので、やはり、既存の患者さんの施術間隔を出来る限り1ヶ月半〜2ヶ月の範囲内にさせていただかなければいけません。
既存の患者さんの間隔を4ヶ月とか5ヶ月とかに延ばせば、新規の患者さんもお受けする余裕があるのですが、当院としては、そういうことをしたくありませんので、新規の患者さんの受付をお断りすることになっております。何とか受け入れ体制を整えていきたいと思いますが、新規の患者さんには大変ご迷惑をおかけしており、申し訳ありません。

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POINT05

レーザー脱毛と光脱毛は
どちらが効くのか?


【まとめ】(詳しくは下のリンクをクリックしてください。)
比べるまでもないくらいレーザー脱毛が効果的です。レーザー脱毛機より効果的な光脱毛機を作るのは科学的に100%無理です。
光脱毛機を医療機関で使うと「医療脱毛」になりますが、効果が劣ることに変わりはありません。どうせ効果が低い光脱毛を受けられるなら、より安いエステをお勧めします。

「レーザー脱毛と光脱毛はどちらが
効くのか?」をさらに詳しく

これは比べるまでもないくらいレーザー脱毛のほうが効果的です。 以下、専門的で難しくなってしまいます。
毛根に残っている毛のメラニンに、脱毛のレーザーのエネルギーが吸収されて温度が上がり、その熱で毛包幹細胞を破壊します。 メラニンですが、毛だけでなく表皮にもかなり含まれます。そのため、脱毛のレーザーは表皮のメラニンにも吸収されます。

脱毛のレーザーは波長が755nmとか810nmとかの単一波長です。 「波長とは何か?」というのは専門的過ぎるので説明を省かせていただきますが、これくらいの波長ですと、毛根のある2ミリくらいのところまでレーザーが届きやすいですし、逆に 0.2ミリ以内にある表皮では吸収されにくくなります。
ところが、光脱毛の場合、いろんな波長が混じりますので、短い波長の光も混じります。すると、その短い波長の光は表皮のメラニンに吸収されやすくなりますので、表皮の温度が上がります。上がり過ぎると火傷を起こします。火傷を避けるにはパワーをかなり落とすしかないです。そこまで落とすと毛根の温度が十分に上がりません。その温度では毛包幹細胞が十分に死にませんので、効き目が中途半端です。
光脱毛ですが、主にエステで使用されています。エステの脱毛は医療関連の法令で「毛根が死なないこと」というルールが定められていますので、それで光脱毛しか使えません。光脱毛で不完全ですが、毛根の細胞は少しは死にますので厳密には医療法違反ですが、実際には慣習上認められています。やはり効果が中途半端であることには変わりがありません。その中途半端な効果すら出すのに15回以上とかかかります。それでしたら、当院で何回か受けていただく方が、はるかに効果が高いですし、価格も安くすみます。

美容クリニックで光脱毛を採用しているところがありますが、何のためかは理解に苦しみます。光脱毛でもクリニックでやれば「医療脱毛」になるわけですが、「それっておかしくない?」と思ってしまいます。
「光脱毛の機械をエステから美容クリニックに運んだら急に効果が出る」なんてことは100%ありません。そんなに効果がある光脱毛があるなら、エステで採用されているでしょうし、そもそも上にも書いたように光脱毛がレーザー脱毛に勝つことは100%ありません。美容クリニックにかかられるなら、レーザーであることは確認されたほうが良いと思います。
どうせ効果が低い光脱毛を受けられるのでしたら、医師や看護師の人件費のコストが乗らない安いエステをお勧めします。

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医療脱毛についてその他のポイントはこちら

文責
医師 丸本 桂三
(あおばクリニック技術統括アドバイザリー)
経歴
昭和62年3月 東京大学医学部医学科卒業
昭和62年6月 東京大学医学部附属病院勤務
平成23年 みずのクリニック(現あおばクリニック新宿院)アドバイザリー就任

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